「多汗症とワキガの違いは?」
「多汗症とワキガの保険適用の治療はどんなの?」
多汗症とワキガの違いについて気になる方の中には上記のような疑問を抱いている方も多いのではないでしょうか。
結論、多汗症とワキガの違いは汗の分泌量と臭いの程度です。
多汗症 | ワキガ |
---|---|
多汗症は臭いが少なく全身に大量の汗をかく | 脇から独特の強い臭いが発生する |
また、多汗症とワキガの保険適用の治療は以下の通りです。
当記事では多汗症とワキガのセルフチェック法やそれぞれのチェック法についても解説しています。
多汗症とワキガの違いが気になる方は参考にしてみてください。
多汗症とワキガの違いは汗の分泌量と臭いの有無
多汗症は汗の量が多く、ワキガは独特な臭いが特徴の病気です。
以下は多汗症とワキガの詳細をまとめたものです。
項目 | 多汗症 | ワキガ |
---|---|---|
汗の量 | 異常に多い | 普通~やや多い |
臭い | ない場合が多い | 独特な臭いあり |
原因 | 遺伝、ストレス、自律神経の乱れなど | 遺伝、アポクリン腺の過剰発達など |
症状 | 脇の下だけでなく手足や 背中などにも多量の発汗 | 脇の下にのみ多量の発汗 独特な臭い |
多汗症とワキガは、それぞれ異なる病気であるため、適切な治療法も異なります。
そのため、表を参考にしながら自分の症状がどちらに当てはまるのかチェックしてみてください。
多汗症は臭いが少なく全身に大量の汗をかく
多汗症は必ずしも無臭ではなく、全身に大量の汗をかく病気です。
多汗症には、主に以下の2種類があります。
- 局所性多汗症: 脇の下、手足、頭部など、特定の部位に多量の汗をかく
- 全身性多汗症: 全身に多量の汗をかく
局所性多汗症は、比較的無臭であることが多いですが、全身性多汗症の場合は、臭いが発生する場合があります。
全身性多汗症では、汗をかいた後に、酸っぱいような臭いが発生することがあります。
このように多汗症は、臭いだけでなく、日常生活にも支障をきたす可能性があります。
ワキガは脇から独特の強い臭いが発生する
ワキガは、脇から独特な強い臭いが発生する病気です。
アポクリン腺からの汗の中の脂肪酸が、皮膚表面の細菌によって分解されて発生する独特な臭いが特徴の病気です。
ワキガの臭いの原因は、以下の2つが考えられます。
- アポクリン腺の過剰発達:通常の汗よりも脂肪酸が多く含まれる汗を分泌
- 皮膚表面の細菌:アポクリン腺の汗は皮膚表面の細菌によって分解され、臭いの元となる揮発性脂肪酸が発生
周囲の人から、ワキガの臭いを指摘されることがある人などはワキガの重症度が高い可能性があります。
多汗症とワキガは併発すると臭いが強くなる傾向がある
多汗症とワキガは、それぞれ異なる病気ですが、併発すると臭いが強くなる傾向があります。
併発すると臭いが強くなる理由は以下です。
多汗症とワキガの併発が臭いを強めるメカニズム | |
---|---|
汗の量が増える | 汗の量が多いため、 アポクリン腺から分泌される汗も必然的に多い 菌が分解する脂肪酸の量が増える |
汗が蒸発しやすい状態になる | 汗をかいた後もなかなか汗が乾きにくい状態 皮膚表面の細菌が繁殖しやすくなる |
アポクリン腺が刺激される | 体温や湿度などの変化によりアポクリン腺が刺激される 汗の分泌量が増える |
また、多汗症とワキガを併発している場合、すっぱい臭いがしたり、洗濯しても臭いが落ちずらい場合があります。
- 運動中や暑い日に、脇の下から酸っぱいような臭いが強く発生する
- ワキガの臭いが衣服に染み付きやすく、洗濯しても臭いが落ちにくい
- 周囲の人から、ワキガの臭いを指摘される頻度が高い
しかし、多汗症とワキガが併発している場合にはそれぞれの治療法を組み合わせることで、臭いを改善が期待できます。
多汗症とワキガのセルフチェックポイント
多汗症とワキガのセルフチェックポイントで、自身の状態を把握しましょう。
多汗症 | ワキガ |
---|---|
脇の下だけでなく、手足、背中などにも多量の発汗 | 汗をかいた後、脇の下から酸っぱいような臭いが発生 |
汗をかくと、衣服にシミができる | 臭いが衣服に染み付き洗濯しても落ちない |
汗をかくと、周囲に不快感を与えることがある | 周囲の人から、ワキガの臭いを指摘されたことがある |
早期に自身の状態を把握することで、適切な治療を受けることができ、症状の改善が期待できます。
また、自身の状態を把握することで、日常生活への不安を軽減し、自信を持って生活できるようになります。
多汗症は常に脇が湿っていて緊張すると汗の量が増える
多汗症は、常に脇が湿っていて、緊張すると汗の量が増えるのが特徴です。
多汗症のチェックポイントは以下です。
- 脇の下の汗で衣服がシミになる
- 常に脇の下が湿っているため、不快感がある
- 人前で話すような場面で、汗をかいてしまうことを心配して緊張してしまう
- 汗ジミが気になって、外出を控えてしまう
多汗症の人は行動を制限しなければならないほどの汗の量をかく方が多くいます。
上記のように日常生活に支障をきたしてしまっている方は、医師に相談することをおすすめします。
ワキガは耳垢が湿っていて脇が黄ばむ
ワキガの疑いがある人は、耳垢が湿っていて脇が黄ばんでしまうという特徴があります。
ワキガの疑いがある人がチェックすべきポイントは以下です。
- 両親のどちらか、または両方がワキガ
- 耳垢が湿っている
- ワキのシャツなどに黄ばみがある
- 汗をよくかく
これらのチェックポイントに当てはまる項目が多い場合は、ワキガ体質である可能性があります。
これに加えて周りの人からも臭いについて言われたことがある人は適切な処置を受けるようにしましょう。
多汗症とワキガで保険適用になるのは重症度と手術法による
多汗症とワキガの保険適用の可否は、重症度と手術法によって決まります。
保険適用を受けるためには、一定の重症度を満たし、保険適用の対象となる治療法を選択する必要があるからです。
具体的には症状が日常生活に支障をきたす程度のことを指します。
また、剪除法などの手術法を選択することで保険適用で治療を受けることが可能です。
多汗症とワキガの保険適用について詳しく知りたい方は、以下を参考にしてください。
原発性腋窩多汗症はボトックス注射などが保険適用になる
原発性腋窩多汗症は、ボトックス注射で保険適用を受けられる場合があります。
ボトックス注射が保険適用されるための条件は以下です。
- 重症度: ワキの下の汗ジミの面積が、衣服の直径の4分の1以上
- 日常生活への支障: 汗ジミや臭いが原因で、衣服選びに制限がある、人前で話すことを避ける
- 他の治療法の効果: 外用薬や塩化アルミニウム溶液などの他の治療法を試しても効果がない
上記のような保険適用の対象となる症状がある人はボトックス注射を打つことを検討をおすすめします。
ただし、定期的に打つことが必要などのデメリットもあるので慎重に治療法を選ぶようにしましょう。
ワキガの剪除法の手術は保険適用になる
ワキガの剪除法手術は、保険適用で根本治療を受けることができます。
ワキガの剪除法手術が保険適用されるには、以下の条件を満たす必要があります。
- 症状の重症度: 脇の下の臭いが、日常生活に支障をきたす程度であること
- 治療の必要性: 他の治療法を試しても効果がないこと
- 医師による診断: 医師がワキガであると診断すること
さらに、ワキガの剪除法手術が保険適用されるかどうかは、医師の診察によって判断されます。
保険適用について詳しく知りたい方は、ワキガ専門の病院を受診し、医師に相談することをおすすめします。
多汗症とワキガを見極めて適切な治療を受けよう
多汗症とワキガの違いは汗の分泌量と臭いの程度と言われています。
多汗症は臭いが少ないが、全身に大量の汗をかく症状です。
また、ワキガは脇から独特の強い臭いが発生する症状です。
どちらも日常生活に支障をきたしてしまうような重度の場合は、保険適用の治療も視野に入れてクリニックを選びましょう。